高寺成紀の復活はもうないのか

東映ヒーローMAX39

 ・『東映ヒーローMAX』Vol.39(2011年12月)、Vol.40(2012年3月)
 ・『語ろう!クウガ・アギト・龍騎』(2014年7月)
 一体この二年間の間に高寺成紀氏に何があったのだろう。両方とも高寺氏のインタビューが載っていて、しゃべっている内容もほぼ同じ。それなのに語る口調がまるで正反対。もちろん人間なのであるから、考えが変わるということはありうる。人生上り調子の時は天狗になり、下り調子の時は落ち込む、それが普通である。しかし、高寺氏の場合は、2010年の『大魔神カノン』の評判が芳しくなく、その後も『ガメラ』の新作を任されたとかいう話が出た割には目に見えた進展は何もない。にもかかわらず増長の度が増しているのは一体どういうことなのか。
 だいたい一年間のテレビシリーズなどというものは、一人の人間の力で出来るものではない。大勢の人間が力を合わせて作るものである。その一方で『クウガ』の手柄を独り占めにしたいという思いもあるのであろう、だから2011〜2012年でのインタビューでは、結局何が言いたいのかよく分からないことになっている。インタビュアーが切通理作氏だから仕方ないと言えば仕方ないのだが、この時点ではまだフタッフに対するリスペクトを語ったりもしている。それが2014年の時点では、もうはっきりと自分以外のスタッフは全員無能という考えを隠そうともしていない。
 プロデューサーとして一番大切な仕事は、人を動かすことである。だから、たとえ本心はどうあれ、口先だけでも「このような素晴らしい作品を作れたのは、大勢の優秀なスタッフに恵まれたおかげです」と言う。そうでなければ人はついてこない。
 とすると現在の高寺氏は心境はどうなっているのか。答えは一つしかあるまい。もう現場復帰はあきらめたということだろう。

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