「ゴレンジャー同窓会」という詐欺事件(後編)

 (承前)ツイッターを見ていると、「四人に会えただけでも感激」と喜びのツイートを上げている人がたくさんいる。最初から正直に「四人しかそろいません」と宣伝しておけば、誰もが満足するイベントになったことだろう。なぜそうしなかったのか。五人がそろうと言わなければ、5,550円のチケットが売れ残ると思ったのだろうか。
 たったそんなことのために、そんな端金のために、ファンからの信頼を永久に失うという危険をこの人達は冒したのだろうか。しかも、その詐欺がバレないように周到な用意をするわけでもなく。
 彼らは別にわずかな金に目がくらんでファンを裏切ったのではない。ファンを裏切るのは悪いことだという認識そのものが、最初から欠如しているのだ。そうとしか思えない。
 26日に「前編」を上げた際、私はこのイベントの主催者を鈴木美潮氏であると書いた。その直後の28日に鈴木氏がイベントの報告レポをアップ、そこではイベントの主催責任者は自分ではなく宮内洋氏であるということを、しつこくしつこく強調して書いてある。
 事実であるならば、訂正でも謝罪でもしよう。しかしだとすると、イベントの主催責任者は誰かということすら明示しないまま、チケットを売ってイベントを開催していたことになる。これはもう最初からファンをあざむく気満々だったとしか思えない。追及の火の手が上がった場合、責任の所在をあいまいにして追及をかわそうというつもりで。ちなみに伊藤幸雄氏が最初にこのイベントに対して不信感を持ったのは、主催者の名前がなかったからだという(10月8日のフェイスブック)。
 たとえ鈴木氏の言い分を100%信じたとして、主犯ではないというだけであって、犯罪行為の片棒を担いだ疑いは全く晴れていない。そして文面から判断するに、チケットを買ってくれた客の期待を裏切る結果になったことについて、申しわけなかったとも何とも思っていないようだ。
 そして鈴木氏によって主催責任者と名指しされた宮内氏のほうはというと、何の声明も出す気はないらしい。(公式サイトは10月28日の更新で何の言及もなし)。
 特撮イベントの周辺というのは、これほどまでに倫理観の低い世界なのか。
 だとすれば、もうこれ以上の追及は糠に釘だ。こんなやり方が常態化しているというのであれば、我々ファンとしては、食い物にされぬよう自衛するまでのことである。この手のイベントには近づいてはならない。
 本当に会いたい人がいるならば、直接行くべきだ。

Go to top of page