戦隊ヒロインはお茶くみを拒否する
『天装戦隊ゴセイジャー』はまだ見ていないなのだが、第4話の大掃除のシーンがちょっとした話題になっているみたいなので、そこだけ見てみた。
部屋がおおかた片付いたので、モネは自分と自分の兄貴であるアグリの二人のためだけにコーヒーをいれる。
ハイド「あれ、俺のは?」
モネ「え!? 自分でやればあ?」
コミカルな芝居を挿入しようとしたが演出に失敗して、単に険悪なだけの展開になってしまったのではと、推測している人もいる。しかし、ひょっとして作り手は意図的にモネをそういうキャラクターにしたかったのではないか。
コーヒーを五人分いれるのも二人分いれるのも、大した手間の違いはないだろう。しかし、女にしてみれば、好きでもない男のためにコーヒーを入れるなんて一滴たりともイヤだ。イヤなものはイヤと言う。普段職場で心ならずもお茶くみをさせられている全国のOLはこのシーンを見て溜飲が下がるはず……。
戦隊ヒロインの歴史を見てみると、仲間に対する思いやり、気配りという点では昔のほうが圧倒的に上である。仲間がケガをすれば心配し、率先して包帯を巻く。それが女の役目だというふうに。別に好きでやっていたかどうかは分からない。心の中では女性差別だと思っていたかもしれない。しかし相手は地球の平和を守るために、命をかけて共に戦う仲間である。チームの雰囲気を常に良好な状態に保っておくことは戦士にとって最も優先されるべきことであって、仲間に包帯を巻いてもらいたがっている奴がいれば巻く。そういうものだ。
時代が下がるにつれ、女性差別と指摘する声に従ったのか、そういうシーンはなくなっていった。かといって男が包帯を巻くようになったわけでもない。包帯を巻くシーンそのものがなくなっていったのだ。そして戦隊メンバーの人間関係はどんどん希薄になっていき、ともに命をかけて戦う仲間だという意識も年を追って減少する。
モネのお茶くみ拒否も、そういう流れの上にあるのであろう。
Track back URL
http://eno.blog.bai.ne.jp/trackback/172337
Trackbacks
-
- 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ percetakan jakarta (04/20) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ percetakan jakarta timur (04/20) - スーツアクターという難題
⇒ Gujarat Tour Packages (12/19) - スーツアクターという難題
⇒ Car Rental in Ahmedabad (11/22) - スーツアクターという難題
⇒ Car Rental in Dehradun (10/11) - スーツアクターという難題
⇒ imran malik (09/14) - スーツアクターという難題
⇒ Travel Agents in Delhi (08/18) - マニュアルで創作は可能か
⇒ (06/22) - 高寺成紀の復活はもうないのか
⇒ cetak buku (02/09) - 高寺成紀の復活はもうないのか
⇒ cetak buku (02/09)
- 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
-
- March 2016 (12)
- February 2016 (12)
- January 2016 (13)
- December 2015 (13)
- November 2015 (11)
- October 2015 (14)
- September 2015 (13)
- August 2015 (12)
- July 2015 (13)
- June 2015 (14)
- May 2015 (13)
- April 2015 (13)
- March 2015 (13)
- February 2015 (12)
- January 2015 (13)
- December 2014 (14)
- November 2014 (12)
- October 2014 (14)
- September 2014 (14)
- April 2011 (3)
- March 2011 (3)
- February 2011 (9)
- July 2010 (1)
- June 2010 (2)
- May 2010 (2)
- April 2010 (7)
- March 2010 (8)
- February 2010 (11)
- January 2010 (11)
- October 2009 (1)
- June 2008 (3)
- May 2008 (2)
- April 2008 (4)
- March 2008 (4)
-
- パーマンをやることは義務なのか(その5=完結)
⇒ Steroidify.com (04/24) - 藤子・F・不二雄作品の主人公の顔
⇒ Mossberg Shotguns (04/23) - 藤子・F・不二雄作品の主人公の顔
⇒ heckler and koch (04/23) - なぜ『チンプイ』は完結しなかったのか(その1)
⇒ evolution forester 6 (04/23) - 水木しげる「怠け者になれ」の真意
⇒ grape cloud lost mary (04/23) - 反面教師としての『ドラえもん』(その2)
⇒ pacman disposable (04/23) - 桐野夏生の連合赤軍小説が始まった
⇒ jungle boy vapes (04/12) - パーマンをやることは義務なのか(その2)
⇒ blinkers carts (04/07) - パーマンをやることは義務なのか(その2)
⇒ faded fruit (03/31) - トキワ荘の真の敗残者は誰か
⇒ gold coast clear carts (03/31)
- パーマンをやることは義務なのか(その5=完結)
-
Comments
Post a Comment