パーマンをやることは義務なのか(その1)
「反面教師としての『ドラえもん』」からの続き
「正義のために戦う」ということについて、藤子・F・不二雄先生はやっぱりよく分かっていなかったのではないか――ということを感じさせるのが、『パーマン』の「パーマンはつらいよ」という話である。
みつ夫にとってパーマンの活動が過剰負担になっているというのが話の発端である(負担軽減のためにコピーロボットがあるのだが、それでも追いつかない)。だから辞めたいとスーパーマンに直訴する。最後には翻意しパーマンの活動を続けることを決心するラストシーンは、なんか美談っぽくまとめてはあるものの、どうもこれは作者がこの問題について徹底的に突き詰めて考えることを放棄した結果としか思えない。
パーマンは常人の6600倍のパワーを持つ。そのような力を持ちながら、なぜ当時苛烈さを増していたベトナム戦争を終わらせるために力をふるわなかったのだろうか。
外国のことなんか知ったことではないのかもしれない。しかし国内に限っても、事故や犯罪や自然災害が起きて多くの人々が死んだり傷ついたりしない日など一日もない。パーマンが救った人命など、パーマンが救えなかった人命に比べればほんのわずかだ。その中には、学校なんか行かず、パーマンが駆けつけておれば助かった人命もたくさんあっただろう。その事実に思いを馳せ、みつ夫が心を痛めるなどというシーンは、決して作中に出てこない。
『パーマン』とはそういう話なのである。別に人類を救うとか世の中を良くするとか地上に平和をもたらすとかのために戦っているのではない。自分のできる範囲内で頑張ろう。それが一番大事なことなのだ。そういう話なのである。
だったら辞めたくなったら辞めればいいではないか。
パーマンの活動が過剰負担だというのなら、少しくらいサボっても、責められるいわれなんかないはずである。そのせいで何千人の人命が失われたとして、なんで今さらそんなことが問題になるのか。なんでこの回に限って唐突に、「大きな力を持てる者の義務」みたいな話が出てくるのか?
もともと藤子F先生は児童マンガ一筋の人である。だから分相応に、たわいのない話だけ描いていればよかったのだ。それを何を勘違いしたのか「ヒーローの責任」みたいな深刻なテーマを作品に盛り込もうとし、結果として墓穴を掘った――と言っていいのだろうか?(続く)
-
- パーマンをやることは義務なのか(その1) (09/01)
-
- 友里アンヌのファンはおかしい
⇒ さんちょう (11/10) - 平成仮面ライダーに「品性」はあるのか。
⇒ 仮面ライダー白倉 (06/27) - 誰が千葉麗子を勘違いさせたのか
⇒ Naura Printing (06/22) - 『ドラえもん』を神棚から引きずりおろせ
⇒ Naura Printing (06/22) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ Naura Printing (06/10) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ CETAK BANNER 24 JAM (06/01) - 『ドラえもん』を神棚から引きずりおろせ
⇒ percetakan jakarta timur (05/29) - ゲゲゲの正義漢
⇒ 市民X (05/19) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ percetakan jakarta (04/20) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ percetakan jakarta timur (04/20)
- 友里アンヌのファンはおかしい
-
- March 2016 (12)
- February 2016 (12)
- January 2016 (13)
- December 2015 (13)
- November 2015 (11)
- October 2015 (14)
- September 2015 (13)
- August 2015 (12)
- July 2015 (13)
- June 2015 (14)
- May 2015 (13)
- April 2015 (13)
- March 2015 (13)
- February 2015 (12)
- January 2015 (13)
- December 2014 (14)
- November 2014 (12)
- October 2014 (14)
- September 2014 (14)
- April 2011 (3)
- March 2011 (3)
- February 2011 (9)
- July 2010 (1)
- June 2010 (2)
- May 2010 (2)
- April 2010 (7)
- March 2010 (8)
- February 2010 (11)
- January 2010 (11)
- October 2009 (1)
- June 2008 (3)
- May 2008 (2)
- April 2008 (4)
- March 2008 (4)
-
- 高寺成紀はなぜ戦隊を悪く言わないのか(前編)
⇒ Натяжные потолк& (09/23) - 愛の批判・憎悪の批判
⇒ Exotic Pet Store (09/21) - 『ヱヴァ』が完結しない理由(わけ)
⇒ visit this Site (09/19) - 愛の批判・憎悪の批判
⇒ packwood (09/11) - 反面教師としての『ドラえもん』(その1)
⇒ glo cart (09/02) - 『ヱヴァ』が完結しない理由(わけ)
⇒ polkadot mushoom (09/02) - 『ドラえもん のび太の勧善懲悪』(中編)
⇒ lyt chocolate bar (08/31) - パーマンをやることは義務なのか(その5=完結)
⇒ awaken mushroom Chocolate: (08/31) - とうとう全否定された『仮面ライダークウガ』
⇒ organic search engine optimisation (08/28) - 『ドラえもん のび太の勧善懲悪』(前編)
⇒ goo'd extracts 2g disposables (08/25)
- 高寺成紀はなぜ戦隊を悪く言わないのか(前編)
-