名作すぎる『ウルトラセブン』
最初に断っておくと、森次晃嗣氏を批判したいわけではないです。批判するほど詳しくないし。ただ「ひし美ゆり子に対する疑念(後編)」のコメント欄で「森次氏は本当に『ウルトラセブン』に思い入れがあるのだろうか」という内容のことを書いてしまって、これが言葉足らずのために誤解を広める事になってしまっては申し訳ないので、補足しておいたほうがよかろうと思った次第。
そもそも『語ろう! 555 剣 響鬼』という本に森次氏のインタビューが載っているのは、『剣』に天王路という役で出演したからである。しかし質問のほとんどが『セブン』に関係したものである。それ自体変なことではあるが、その中身が妙に模範生的なのが気になったのである。まるで、こういう質問をされたらこう答える、ああいう質問をされたらああ答える、というアンチョコが既にあってそれに従って機械的に答えているかのような。
しかしそれは森次氏が『セブン』に対して思い入れがないのではなく、『セブン』という作品が余りにも名作として今まで語られすぎたがゆえに生じた事態なのかもしれない。「ノンマルトの使者」ならこういう解釈、「第四惑星の悪夢」ならこういう解釈、というのがもう完全に固定されてしまって、新しい解釈なんかもう出す余地がないみたいな雰囲気を、『セブン』という作品について感じるのである。
いや、別にそんなに難しく考えることはなく、単にインタビュアーの谷田俊太郎氏の技術が下手というだけのことかもしれない。インタビューというのは相手の本音を引き出すのが仕事であり、自分の意見をしゃべって相手に同意を求めたりするなど問題外。ちなみに脚本家の上原正三氏は『帰ってきたウルトラマン』の「怪獣使いと少年」について聞かれて「あれはテーマ性がナマで出すぎて自分としては気に入っていない」なんてことをしゃべったりしている。そのことがかえって上原氏のウルトラシリーズに対する思い入れをファンに強く感じさせるのである。
インタビューというのはする方もされる方も「段位」というものがあるんじゃないだろうか。
Track back URL
http://eno.blog.bai.ne.jp/trackback/215413
Trackbacks
-
- 平成仮面ライダーに「品性」はあるのか。
⇒ 仮面ライダー白倉 (06/27) - 誰が千葉麗子を勘違いさせたのか
⇒ Naura Printing (06/22) - 『ドラえもん』を神棚から引きずりおろせ
⇒ Naura Printing (06/22) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ Naura Printing (06/10) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ CETAK BANNER 24 JAM (06/01) - 『ドラえもん』を神棚から引きずりおろせ
⇒ percetakan jakarta timur (05/29) - ゲゲゲの正義漢
⇒ 市民X (05/19) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ percetakan jakarta (04/20) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ percetakan jakarta timur (04/20) - スーツアクターという難題
⇒ Gujarat Tour Packages (12/19)
- 平成仮面ライダーに「品性」はあるのか。
-
- March 2016 (12)
- February 2016 (12)
- January 2016 (13)
- December 2015 (13)
- November 2015 (11)
- October 2015 (14)
- September 2015 (13)
- August 2015 (12)
- July 2015 (13)
- June 2015 (14)
- May 2015 (13)
- April 2015 (13)
- March 2015 (13)
- February 2015 (12)
- January 2015 (13)
- December 2014 (14)
- November 2014 (12)
- October 2014 (14)
- September 2014 (14)
- April 2011 (3)
- March 2011 (3)
- February 2011 (9)
- July 2010 (1)
- June 2010 (2)
- May 2010 (2)
- April 2010 (7)
- March 2010 (8)
- February 2010 (11)
- January 2010 (11)
- October 2009 (1)
- June 2008 (3)
- May 2008 (2)
- April 2008 (4)
- March 2008 (4)
-
- 高寺成紀はなぜ戦隊を悪く言わないのか(前編)
⇒ Натяжные потолк& (09/23) - 愛の批判・憎悪の批判
⇒ Exotic Pet Store (09/21) - 『ヱヴァ』が完結しない理由(わけ)
⇒ visit this Site (09/19) - 愛の批判・憎悪の批判
⇒ packwood (09/11) - 反面教師としての『ドラえもん』(その1)
⇒ glo cart (09/02) - 『ヱヴァ』が完結しない理由(わけ)
⇒ polkadot mushoom (09/02) - 『ドラえもん のび太の勧善懲悪』(中編)
⇒ lyt chocolate bar (08/31) - パーマンをやることは義務なのか(その5=完結)
⇒ awaken mushroom Chocolate: (08/31) - とうとう全否定された『仮面ライダークウガ』
⇒ organic search engine optimisation (08/28) - 『ドラえもん のび太の勧善懲悪』(前編)
⇒ goo'd extracts 2g disposables (08/25)
- 高寺成紀はなぜ戦隊を悪く言わないのか(前編)
-
Comments
Post a Comment