キレンジャーの交代は本当に円満だったのか?

畠山麦
朝日新聞1976年5月10日のテレビ欄「新番組の顔 畠山麦」

 『秘密戦隊ゴレンジャー』の初代キレンジャー・大岩大太を演じた畠山麦氏が途中で番組を降板したことについて、トラブル原因説はいまだ根強いものがある。
 いちおう舞台出演の仕事を優先させたから、ということになっている。当時の関係者もそう言っている(たとえば、だるま二郎氏のインタビュー)。
 じゃあ、その作品のタイトルは?
 どんなに探しても出てこないのである。それどころか、畠山氏が舞台に出演したという記録すらない。
 ま、単なる記憶違いということもある。本当はテレビか映画の仕事だったのかもしれない。だったら訂正しようという人がいても良さそうなものだ。そして記憶違いだったとして、そのテレビ番組のタイトルは?
 なんかもう疑ってくれと言ってるようなもんである。
 畠山氏は第67話で復帰するのだが、そしてそれって『ゴレンジャー』の殺陣が、大野剣友会からJACに変わったまさにその回である。その殺陣の交代自体、理由が明らかになっていない。そしてその直前はなぜかやたら休みが多い(7/17、7/24と連続休んだ後に8/14、8/21、8/28の三週連続休みなんてのまである)。
 この問題については私はこれ以上追究する気はないし、トラブル説・円満交代説のどちらに与そうとも思わない。ただ、氏が1976年に出演し、『ゴレンジャー』降板と時期がちょうど一致するテレビ番組を偶然見つけたので、お知らせしようと思った次第。氏の出演歴にも載ってないし、ウィキペディアにも項目がないマイナーな番組。人気絶頂の『ゴレンジャー』を降板してまで出演したかったような作品かと言われると、疑問は残る。

 いずれにせよ、二代目キレンジャー・熊野大五郎の殉職と、大岩大太の復帰は、結局「訓練なんかで得られたような力は、戦士としての真の力にはなりえなかった」というテーマを一層浮き彫りにし、結果的に作品にとってプラスになったと思います。

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