「視聴率なんか気にしていない」という嘘

 『仮面ライダー鎧武』の公式読本で、プロデューサーの武部直美氏とメイン脚本家の虚淵玄氏の対談が載っていた。『鎧武』なんか一話も見たことのない私であるが、仮面ライダーシリーズって今こんなに志が低くなっているのかとビックリした。
 二点ほど触れる。その一つ。『鎧武』の人気について話が及んでいるのだが、話されているのは玩具の売上と、ファイナルステージの客の入りだけ。視聴率について触れないのは例年のことだが、なんと劇場映画の客の入りについても完全無視。ついに馬脚を現したか。
 人気の話をしているのに、ファイナルステージのほうが劇場映画より重要なんてことがあるわけないだろ。
 「視聴率なんか気にしていません」。ここ数年における東映特撮のプロデューサーの態度は一貫している。しかしそれは、録画機器の普及とか他にも色々理由があって視聴率が時代遅れの指標になったとか、そういうことではない。本当は気にしているのである。しかし体面が悪いから、気にしていないと言い張っているだけだ。
 だいたい、本当に視聴率を気にしていないということであれば、このツイートなんだ!

でじたろう「鎧武の視聴率が上がってきているようで一安心」2013年11月18日

吉田メタル「第25話”グリドン・ブラーボ最強タッグ” 視聴率がかなり良かったらしく プロデューサーから お礼を言われました!!」2014年4月17日

白倉伸一郎「昨日の『鎧武』キカイダー編、なんと鎧武史上最高視聴率だったとかなんとか。ご覧くださった方々に、心から感謝です」2014年5月19日
 視聴率が良くても悪くても何も発言しないのなら筋は通っている。しかしこの人達は、視聴率が良かった時だけはそれについて触れ、悪くなればダンマリである。これで「低視聴率は気にしていない」などと言ったところで誰が信用するか。
 2ちゃんねるの視聴率スレなんかでも、視聴率が低迷するとすぐに「視聴率なんかもう時代遅れの指標だ。玩具の売上がすべてだ」と擁護する信者が現れて、スレを荒らすのが通例だった(2013年度なんかは特にひどかった)。最近はそういうのも随分と少なくなったような気がする。

 ついでに現在放映中の『仮面ライダードライブ』。第一話だけは視聴率は高くて、その時の関係者のツイッター・ブログ。
片岡鶴太郎「『仮面ライダードライブ』御視聴有難う御座います。お陰様で3年振りの高視聴率でした。有難う御座います」(無意味な改行は削除した)2014年10月6日

長谷川圭一「ドライブ! 初回の視聴率も好調のようで超嬉しいです!」2014年10月6日
 その後『ドライブ』の視聴率は急落。当然のことながら、誰も触れなくなった。さて一年後、どういうことになっているのだろうか。(続く

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