『非公認戦隊アキバレンジャー』の薄さ

 『非公認戦隊アキバレンジャー』は一期(2012年)は面白かったが二期(2013年)はつまらなかった、などと書くと「マニア向けのネタに走りすぎましたかね」などと擁護する奴が出てくる。冗談ではない。マニアほど二期にはガッカリしたのだ。
 たとえば第4話では「スマホモンガー」という敵怪人が現れるのだが、この左右非対称デザインは明らかに『デンジマン』のベーダー怪物のリスペクト。それがなんで「モンガー」という、『サンバルカン』の機械生命体の名前しているのか。なんかの伏線なのかと思ったら、単なる勘違いのようだ。
 第9話では『バイオマン』のパロディとして第46.5話「南の島を駆け抜けろ!」などというのが出てくるが、サブタイトルが八字縛りだったことも知らないのか。「走れ42195m」とかだったら笑えたんだが。
 第10話については「元ネタはゴーグルファイブ」でも触れたが、あの目玉が唯一の弱点だということを視聴者が知ったのは、番組終わって書籍が出てからだ。あれを見て「弱点が目立ち過ぎだー!」などとテレビを見ながら叫ぶなどということはありえない。それとも『冒険王』版と混同しているのか?
 全部検証していったら大変な分量になるので、パッと思いついただけ書いてみた。別に一期が濃かったわけではない。一期は一期で間違いも多かったが、話自体が面白かったので気にならなかった。まあ脚本家の荒川稔久氏は過去の歴代戦隊については全然詳しくないのではと前から薄々と思っていたから、それが確認された格好だ。そのくせなぜかウルトラのネタには妙に力を入れていたりする。なんですか、本当は円谷が好きなんだが、仕方なく東映で仕事しているという高寺成紀パターンですか。
 しかもこの人、『ゴーカイジャー』のメイン脚本家でもある。プロデューサーである宇都宮孝明氏もまた戦隊に全然詳しくない人だということは、このブログで前に書いた。歴代スーパー戦隊が史上初めて大集合するという記念作品で、プロデューサーと脚本家の両方とも、戦隊シリーズに愛着を持っていない人だというのはスゴイ人選だな。
 最近、東映YouTubeで『仮面ライダーディケイド』の第一話を見たんだけど、平成ライダー十作目の記念作ということで、クォリティはともかくとして、ワクワクするようなことをこれから始めるぜぇ、みたいな意気込みだけは感じた。『ゴーカイジャー』の第一話がいつもの場所でのいつものバトルだったこととは大違い。この二つ、視聴率面では完全に明暗分かれたというのも納得である。

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