『ニンニンジャー』の無謀な挑戦
ニンニンジャーのキャラクター設定が映画のパンフに載っていたらしくて、今年はまた随分と無茶なことをするようだ。
赤 兄貴肌だがその気持が空回りすることも。(これはいい)登場人物に二面性を持たせるのはセオリーだが、戦隊でそれをやるか。
青 キザなクールガイ。ただし意外とムキになりやすい。天然ボケな一面も。
黄 何も考えていないように見えるが、実際は物事を冷静に観察している。
白 純粋かつ前向き。落ち込むときは激しく落ち込むという一面もある。
桃 毒舌を放つ。その一方で、秘めた乙女チックな面も持ち合わせている。
ドラマは葛藤から生まれる。だから一人の人間の中に矛盾する二つの面を盛り込むとよい。しかしそれは主人公が一人の場合だ。戦隊の場合は普通主人公は五人だから、それぞれが二面性を持つと、十人分の人間を描かなくてはならなくなる。そんなことできるの? 視聴者も混乱するだろう。
さまざまに異なる性格を持ったメンバーが集まって一つのチームを作り、共通の目的のために戦う、この時点で葛藤は十分足りている。五人だけでも多すぎと言われているくらいだ。まあその分一人一人のキャラクターが薄っぺらくなることは避けられないが、別に文学作品を作っているわけではないし。熱血漢なら熱血漢として徹底という、フラットキャラクターであることは戦隊物にとっては欠点ではなく、むしろ強みである。
もっともこんなことは、プロである脚本家やプロデューサーが分かっていないはずはないので、無謀を承知の上での挑戦であるに違いない。私も無難な作品よりも新しいチャレンジ魂を見せてくれるほうが好きなので、五人ともラウンドキャラクターとして描く意気込みがあるのなら、ぜひとも応援したいところだ。
それにしてもモモは「毒舌」というキャラクターらしいが、『電撃戦隊チェンジマン』の渚さやかみたいなのを期待したいなあ。性格の悪さを魅力にした、戦隊史上でも稀なヒロインだった。まあそれも最初の頃だけで、クールさの中に秘められた優しさが、途中からどんどん表に出るに従って普通のヒロインになっていくんだが。面白味は減ったけど、それはそれで正統派の魅力はあった。そのおかげで割りを食ったのが麻衣。
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