スーパー戦隊と愛国心

 スーパー戦隊シリーズ全38作オープニング一挙見、などということをやったら、さぞや気分が昂揚するだろう、と思っていた。実際にやったら単に疲れただけであった。一時間以上かかったからなあ。まあそれはともかく、『大戦隊ゴーグルファイブ』の歌詞センスって、なんかすごく特異という感じがする。

 愛するくにを 守るために
 ゴーグルロボで発進だ
 「愛するくに」だよ。
 しかも「国」じゃなくて「くに」。ネーションじゃなくてパトリ。
 日本みたいな国に住んでいると、「愛国心」について語れと言われれば、右と左に分かれて「ファシスト」「非国民」などと幼稚に罵り合うことにしかならなかったりするんだが、しかもいい年こいた大学教授とか高名な評論家がそうだったりするんだが、でもそれって単にナショナリズムとパトリオティズムの区別がついてないだけだったりするんだが、1982年の段階で、子供向け番組の主題歌の歌詞でこの両概念を厳密に区別するような言葉遣いがなされていたということに、感動を通り越して、なんか凄みを感じる。
 翌々年の『超電子バイオマン』のエンディングになると、「愛する地球を守るため」。しかしこれを根なし草的コスモポリタニズムなどと批判するのは当たっていない。当時は冷戦下だったし、核戦争が起これば人類五十億人(当時)全部死ぬ、そう思えば、自分は何々国人であるまえに地球人なのだ、という意識も相当強かった。「愛する地球」という言葉にも、今よりずっとリアリティがあったのである。
 さて冷戦は1991年に終わった。核戦争も起こらなかった。「自分は地球人だ」などという意識も最近はほとんど感じることなどないと思う。そういうなかで相も変わらず十年一日のように「愛する星を守るため」などという歌詞が歌われ続けている戦隊シリーズであるが、ああいうのって今の若い人や子供たちに「ピンと来」たりするのかなあ、などと心配にになったり。

Comments

Post a Comment








Track back URL

http://eno.blog.bai.ne.jp/trackback/213327

Trackbacks

Go to top of page