愛の批判・憎悪の批判
『藤子・F・不二雄大全集』を読んでおったら、『エスパー魔美』第一巻「くたばれ評論家」に誤字を発見。「祅」(しめすへんに夭)ではなくて「祆」(しめすへんに天)。
それはともかく。
この「くたばれ評論家」という話、なんかやたらとブログで取り上げられている話のようだ。ブロガーなら誰にとっても、他人事ではない切実なテーマなのだろうな。ブログで人や作品をけなしたり叩いたりしている人は多い。その動機は大きく分けて二つある。一つは好きだから叩くのであり、もう一つは嫌いだから叩くのである。ところが本人は好きだから叩いているにもかかわらず、人からは嫌いだから叩いていると勘違いされ、結果トラブルに発展することも多い。その手の勘違いが魔美に取り返しのつかない誤りを犯させる、という「くたばれ評論家」のストーリーの流れは実に読み応えがある。藤子・F先生にも似たような体験があったのだろうか。それはともかく。
魔美は極度のファザコンで、軽率で思い込みの激しい性格もまた彼女の魅力である。しかしなあ、普通は分かるでしょ。
好きで叩いているのか嫌いで叩いているのかくらいは。
どこで見分けるのか。字数である。好きだから叩いていると、たいてい長い長い文章になる。相手に対して敬意を抱き、きちんとした態度で批判するためには、やはりそれに見合うだけの文章量は必要だ。「寸鉄人を刺す」というのは、長文を書くだけの気力がないのをごまかすために使われる言葉と思って差し支えない。短い文章でズバッと相手の弱点を突くというのも、そうそう出来ることではないのだ。一般的に、憎悪よりも愛情のほうが、人に与えるエネルギーの量は大きい。
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