お疲れ様でした、高寺成紀さん
―― 高寺さんがあのときに示してくれた「響鬼イズム」みたいなものの発露が、この先、いろんな形で出てくるといいなぁと思ってます。これからの人たち?
高寺 敗軍の将として、あえて開き直ったものの言い方をさせてもらうとすると、これからの人たちには、もっと「馬鹿なこと」をしてほしいなぁと。
自分はやらんの?
あ、そうか。この人はもう終わった人なのか。
この本『語ろう! 555 剣 響鬼』の「おわりに」によれば、「計3回の取材で合計20時間以上」「その後もメールやスカイプで何度も対話を続け」「約半年かかりました」とのこと。それほどの莫大な手間暇をかけて、高寺氏が『響鬼』でやろうとしたことを探ろうとしたのは、その失敗から学び、経験を糧にして次に生かすためである。しかしそれは高寺氏が次回作のために生かすためではなくて、若い人たちに生かしてもらおうとするためであったらしい。
『ガメラ』の新作を任されているという噂もあったが、頓挫したのかそれとも最初からガセだったのか。
しかしこれだけの手間暇をかけながら、結局は単なる自己正当化にしかなっていないとは。
スーパー戦隊シリーズはなぜかくも長く続いているのか。マンネリと革新を車の両輪に走り続けてきたからである。戦隊シリーズは時代とともに少しずつ少しずつ変化を遂げてきたのであり、ある作品を境に急激に作風が変化するなどということはない。「新しいことへのチャレンジ」なんて毎年やっている。ただ目立たないだけだ。そして目立たずにそういうことをやり続けることが、もっとも大切でありまた困難なことでもある。「完全新生」などと派手な花火を打ち上げるということ自体、偉大なチャレンジでもなんでもないし、しかもそれが力尽きて倒れたのでは評価の対象にもならない。
まあいずれにせよお疲れ様でした。「平成仮面ライダーを立ち上げた男」という肩書があれば一生食いっぱぐれることもありますまい。このブログでも二度と取り上げることはなさそうだし。
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