さとう珠緒「オタクはキモイ」発言の真相

 『超力戦隊オーレンジャー』でオーピンク・丸尾桃を演じた珠緒(現在は改名してさとう珠緒)氏が、「オタクはキモイ」とかいう趣旨で何か言っているらしいというので読んでみた。

 私、昔からオタク系からは好かれないんです。グラビアっぽいことをしていても、そういうファンがつかなかったんです。戦隊モノやっていたのになあ。歴代ピンクは人気あったのになあ。私だけダメだったみたーい。でも、秋葉系の人たちは見る目があるって証拠ですよね。

 それ、オタクは関係ないから。
 戦隊ファンというのは何か特殊な価値基準を持っているということにしたいみたいだが、そんなことないって。普通に脚本や演出や役者の演技力を見て作品の出来不出来を判断している。歴代の戦隊ヒロインで人気があったのはいずれも役者に魅力があり、いい脚本や監督に恵まれた人たちばかりであって、オーピンク・丸尾桃の人気がなかったとしたら、まあ、そゆこと。
 『オーレンジャー』に関しては、一番の問題は脚本であろう。シリアスで行くのかコミカルで行くのか最初から迷走状態。さとう氏自身は悪くはなかったと思うが、しかし今やタレントとして幅広く活動している彼女にしてみれば、たかが一年やそこらで芸能界から消えてしまったような連中よりも、自分の方を下に評価する連中が存在しているなどということ自体、我慢がならないことと見える。だから戦隊を見てる連中というのはオタクであり、つまり社会不適応者で女に幻想を抱くキモイ男のことで、そういう連中に媚びるように演じるのでなければ人気は出ないのだと、どうもそういうことにしておきたいらしい。
 そういえば最近、超力戦隊の制服を14年ぶりに着て『ゴーオンジャー』の劇場版の舞台挨拶に行ってきたとかいう話があったが、いい年して何やってんだか。そんなことしたってオーピンクの評価が上がるわけないし、歴代戦隊ヒロインの輝く星々の列に今さら加われるはずもない。しかしあんたは現実にタレントとして今成功しているんだから、そんなものに敵愾心なんか燃やしてどうするんだ。大人げない。

 オタクは世界に誇る日本の文化だと主張している人がいる一方で、とにかく自分にとって都合の悪い連中を一括りにしてレッテル貼りする言葉としても通用している。この議論の行く末は一体どっちだ。

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