昔のヒーローに会いに行くということ

 大川めぐみさんを独り占めにしようと抜けがけを企んだ、などと思われたら心外なので、ちょっと釈明を。
 逆なのである。あの時は一人じゃ心細くて心細くて、一緒に行ってくれる人がいればどれほどいいだろうと思ったことか。いや本当、緊張しすぎて体調を崩すなんて久しぶりに経験したほど。だったらなんで誘ってくれなかったんだと言われるかもしれないが、だからメールボックスとアドレス帳を間違って全部消してしまったんだって。そのことに関しては謝るしかない。すみません。それに私だって別に極秘のルートを通じて大川さんの居所を突き止めたわけでは全然なく、ネットで拾った情報なんだし、大川さんにもう一度会いたいと思った人であれば誰だって行けばよいのである。そして現地で落ち合えばよかろうと。

 自分が子供の頃に憧れの対象であったヒーロー・ヒロインで、今は市井の一般人として生活していて、その人に会ってきたという体験をブログに綴っている人も増えてきた。だが、その興奮や感激にはやはり二種類のものがあるように思われる。
 一つはトークイベント、あるいは飲食店を経営していたりして、ファンに「来てください」と言っているケース。もう一つは、ファンのほうが勝手に居所を調べあげ、会いに行くケース。嫌な思いをする(させる)可能性があるのは圧倒的に後者である。礼儀正しさをわきまえていけば防げるというものでもない。しかし実際に会えた時の興奮や感激の大きさは、後者のほうがはるかに大きいだろう。それは「お客さん」を相手にした態度ではない、本当のその人の素である。
 やっとのことで居所を突き止めたのだが、行く勇気がない、などと思っている人。行きなさい。それこそヤマアラシのジレンマである。「そのうち行こう」なんて思っている人は、絶対に会えない。長い間逡巡した挙句にようやっと勇気を振り絞って行ってみたら、相手は三日前に引っ越し済み(しかも転居先不明)、そして死ぬほど後悔する。よくある話ですわ。

戦隊史学基礎(応用編)

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