『秘密戦隊ゴレンジャー』の真の原作者は誰か
吉川進「特撮戦隊 私が生みの親」(日本経済新聞2010.8.25文化欄)
なんじゃこの「ワシが育てた」は。
……などと思ったが、見出しが酷いだけで、読んでみると結構まじめな記事である。
『秘密戦隊ゴレンジャー』の制作経緯については、詳しく調べれば調べるほどゲンナリした気分になる。大勢の人間が力を合わせて作ったものであるから、誰か一人だけの手柄に帰することはできない。しかし基本となる枠組みを作った一人というのはいるはずで、そして「それは私だ」と主張する人間が一杯いる。しかも、自分の名前で言うわけではない。たいこもちのライターに書かせるのである。それでなんか問題が起こっても、そのライターに責任を押し付けられる。特撮界のライターに、ジャーナリズム精神なんか皆無だし。
人間不信に陥りそうだ。
ファンにとっては手柄の取り合いなんかどうでもいい話である。知りたいのは、『ゴレンジャー』及びそれに続く戦隊シリーズが、なぜこれほどまでの成功を収めることができたのかである。変身するヒーローのグループ物は他にもたくさんあるが、それらの作品とどこが違っていたのか。アイディアはどういう経緯でもたらされたのか。しかしこの人達は、『ゴレンジャー』に関する正確な歴史を残すことよりも、自分の手柄を大きく見せることのほうが大事なのか。
そういう中で、これだけ堂々と自分の名前で、自分が『ゴレンジャー』の生みの親だと主張している吉川進氏。この事実は重要に思える。書籍編集者は、速攻で吉川氏に執筆依頼をすべきだ。
自分が生みの親だと声高に主張する人ばかりの中で、変わっているのが石ノ森章太郎氏。名目上の原作者なのに、なぜかトーンが低い。確かにデザイナーとして尽力はした。しかしマンガの連載は途中で投げ出したも同然だし、自分のテイスト皆無の作品が、自分の名前を原作者にいただいて世間で大ヒットするなど、マンガ家としてのプライドが許さなかったのだろうなあ(かといって「自分の作品ではない」と言明していたわけでもないが)。
法人としての石森プロはまた立場が別らしく、公式サイトでは、『ゴレンジャー』のみならず戦隊シリーズそのものが、石ノ森氏の功みたいに書いた記述があった。確か「『現在放映中の『アバレンジャー』」という記述があったから、十年前か。今見たら削除されていた。
11月15日の記事に続き
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