バトルケニアとキュアブラック(後)
(続き)キュアブラックはその名前からも分かるように、黒をシンボルにいただく女戦士であり、そのことに議論の余地はないはずだった。ただ彼女には後続が一人も現れなかった。結局プリキュアシリーズにおいては黒は戦士の色として定着せず、キュアブラック自身もまた今ではファンからはピンクの戦士として扱われている。最初からピンクを保険にしていたわけでもない、ここだけはバトルケニアとは違う点である。
要するに、スーパー戦隊シリーズにおける栄えある黒の戦士第一号の称号をめぐって争うにしても、そもそもバトルケニアはゴーグルブラックのおかげで土俵に上がれるのである。その上ゴーグルブラックを押しのけて栄誉を主張するなど、これはバトルケニアとしては非常にやりづらい。
逆に、「バトルケニアが下地を作ったからこそ、ゴーグルブラックは登場できたのだ」という主張ができれば立場はイーブンになれる。しかし管見の範囲でも、そういう主張は見たことがない。
バトルケニアは緑0.5黒0.5とするのが一番穏当に思える。
ちなみに大葉健二氏の見解。
ついでにバトルコサックについても触れておきたい。コサックもまた黄の戦士なのか橙の戦士なのか、決め手を欠いた状況が長く続いていたが、これについてはもはや橙派に軍配を上げてもいいのではないかと思う。
コサックのスーツやマスクは明らかに橙色である。黄か橙か紛らわしい色をしているわけでもない。なぜ黄の戦士という主張があるのかというと、そっちのほうが整理しやすいからである。過去に黄の戦士がいた戦隊には必ず橙の戦士はおらず、橙の戦士がいた戦隊には必ず黄の戦士はいない。だったらコサックも、これは赤みのかかった黄と解釈して一緒にしてしまえば何かと便利である。
スーパー戦隊シリーズの歴代のブルーの戦士のスーツやマスクをじっくりと見てみると、その色合いにはかなりの幅がある。水色や藍色と言ったほうがいい色にまでまたがっている。それを全部「ブルー」の一語ですまそうとするのであれば、橙を黄の一種と見なすことに不自然さはない。
しかし、黄と橙の戦士が共存する戦隊が存在しないのは、たまたま現在そうなっているだけであって、今後そういう戦隊が出てくる可能性は十分にある。そうなれば「整理がしやすい」という黄派の主張は根拠を失う。だったら今のうちからコサックは橙の戦士にしておくべきだ。……などと前々から主張していたら、2014年『烈車戦隊トッキュウジャー』で本当に橙の戦士が出てきた。今後はスーパー戦隊に関するグッズでも、コサックがイエロー扱いされることはなくなり、オレンジ扱いに統一されていくに違いない。
スーパー戦隊シリーズに関する注意書き
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