幻のアンヌ隊員? 誰よそれ(再再)
21日のエントリで「そもそも特撮ヒロインのファンなどという存在自体が、常軌を逸しているのである」などと書いた。これは1980年代の人間にとっては当たり前の感覚ではあるのだが(多分)、若い人にはもっと詳しく説明しないと意味が分からないかもしれない。
『C調アイドル大語解』(初版1988年、翌年に改訂新版)という本をたまたま読んでいたら、大川めぐみ、萩原佐代子、森永奈緒美、森恵など特撮の人もちゃんと項目があった。ただしその十把一絡げにするような記述からは、当時は依然として普通の芸能アイドルとは別カテゴリーみたいな認識をされていたことが読み取れる。
じゃあどんなカテゴリーだったのか? 多分「女優」だろう。歌手・俳優とアイドルの違いは、前者はあくまでも歌唱力とか演技力とかの芸を売り物にしているのに対して、後者の売り物はファンとの「疑似恋愛」である。音痴や大根であることが却ってファンの「ボクが応援してあげなければ」という気持ちを掻き立てて人気が出る、などという転倒した状況すら生まれる。中島らもが「新アイドル論」で詳しく論じていたので、興味のある人は読んでください(エッセイ集『空からぎろちん』に収録)。
といっても疑似はあくまでも擬似である。本物の恋愛の場合は、相手は僕のことを好きでなかったらどうしようという悩みは深刻である。相手がアイドルの場合はそんな必要はない。この娘を応援しようと思ったら、相手はありがたく思うに決まっている。なぜならこっちは金を払っているからだ。
特撮ヒロインがいまだアイドルという範疇になかった時代にあっては、ファンレターを出すということは、現実の知り合いの女の子にラブレターを出すのに匹敵するくらいの勇気が必要だったのである。ひし美ゆり子の人気が顕在化するまでに十年以上の歳月が必要だった、というのも多分そこに関係しているはずだ。ただし、その時に感じた気持ちの高ぶりもまた、現実の恋愛に匹敵するくらいのものだった。
その壁を初めて突破したのが、大川めぐみということになるんだろうか。大川めぐみのファンに、その熱意が常軌を逸している人が多いというのも、それが理由である。
今の若い人達にとっては、特撮ヒロインも普通にアイドルの一範疇なのだろうか?
Track back URL
http://eno.blog.bai.ne.jp/trackback/214563
Trackbacks
-
- 友里アンヌのファンはおかしい
⇒ さんちょう (11/10) - 平成仮面ライダーに「品性」はあるのか。
⇒ 仮面ライダー白倉 (06/27) - 誰が千葉麗子を勘違いさせたのか
⇒ Naura Printing (06/22) - 『ドラえもん』を神棚から引きずりおろせ
⇒ Naura Printing (06/22) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ Naura Printing (06/10) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ CETAK BANNER 24 JAM (06/01) - 『ドラえもん』を神棚から引きずりおろせ
⇒ percetakan jakarta timur (05/29) - ゲゲゲの正義漢
⇒ 市民X (05/19) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ percetakan jakarta (04/20) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ percetakan jakarta timur (04/20)
- 友里アンヌのファンはおかしい
-
- March 2016 (12)
- February 2016 (12)
- January 2016 (13)
- December 2015 (13)
- November 2015 (11)
- October 2015 (14)
- September 2015 (13)
- August 2015 (12)
- July 2015 (13)
- June 2015 (14)
- May 2015 (13)
- April 2015 (13)
- March 2015 (13)
- February 2015 (12)
- January 2015 (13)
- December 2014 (14)
- November 2014 (12)
- October 2014 (14)
- September 2014 (14)
- April 2011 (3)
- March 2011 (3)
- February 2011 (9)
- July 2010 (1)
- June 2010 (2)
- May 2010 (2)
- April 2010 (7)
- March 2010 (8)
- February 2010 (11)
- January 2010 (11)
- October 2009 (1)
- June 2008 (3)
- May 2008 (2)
- April 2008 (4)
- March 2008 (4)
-
- 高寺成紀はなぜ戦隊を悪く言わないのか(前編)
⇒ Натяжные потолк& (09/23) - 愛の批判・憎悪の批判
⇒ Exotic Pet Store (09/21) - 『ヱヴァ』が完結しない理由(わけ)
⇒ visit this Site (09/19) - 愛の批判・憎悪の批判
⇒ packwood (09/11) - 反面教師としての『ドラえもん』(その1)
⇒ glo cart (09/02) - 『ヱヴァ』が完結しない理由(わけ)
⇒ polkadot mushoom (09/02) - 『ドラえもん のび太の勧善懲悪』(中編)
⇒ lyt chocolate bar (08/31) - パーマンをやることは義務なのか(その5=完結)
⇒ awaken mushroom Chocolate: (08/31) - とうとう全否定された『仮面ライダークウガ』
⇒ organic search engine optimisation (08/28) - 『ドラえもん のび太の勧善懲悪』(前編)
⇒ goo'd extracts 2g disposables (08/25)
- 高寺成紀はなぜ戦隊を悪く言わないのか(前編)
-
Comments
Post a Comment