特撮に出た俳優はなぜ勘違いするのか(後編)
(承前)先日の「ゴレンジャー同窓会」でもそうだったが、戦隊の作品に出演した俳優が集まるイベントが執り行われた際、主演だった五人のうち四人しか集まらないことがある。その場合、あろうことか、残りの一人に対して非難の矛先を向ける声がネットで上がったりする。来たくなかったから来なかったのか、それとも来たかったのに仕事が忙しくて来れなかったのかもお構いなし。彼らの頭中では、とにかくこういうイベントに出てくる人はファンを大切にする人であり、出てこない人はファンを大切にしない人だという決めつけがある。
そういうのが現実に多数派か少数派か分からないが、とにかく声の大きいほうがファンの代表的な意見であるとしてまかり通ったりするのは困ったことである。
ところで、私も特撮出演俳優に会いに行ったことがある。その人はイベントなんかには全然出てこない人であるが、理由を聞いたら、俳優の才能はないと思ってさっさと引退した自分のような人間に、会いたいファンがいるとは思わなかったからだそうである。だからこっちから居場所を突き止めて押しかけていった。それでどうだったかというと、あまり詳しくは書く気がしない。なぜならイベントのような金銭を介在させた出会いとは違って、個人的なことをあまり大っぴらぴらにするものではないと思うからである。行ってよかったと思えるものであったとだけ書いておく。同様のことをした人は他にもいるであろう。多分みんなそんな感じに違いない。
だったらなんでオマエはこんなブログを書いているんだと言われそうだが、黙っていて、イベントに出てこない奴は特撮番組に出演したことを黒歴史にしているなどと見なす空気がさらに支配的になったりしては困るからである。そして出てこない人に対して心理的圧力がかかり、「やっばり出たほうがいいのだろうか」と嫌々出席するような事態が生じたりすることを懸念するからである。私とて、わざわざ人が楽しんでいることに対して、ケチを付けるような真似はしたくないのであって、やむをえず書いたのである。
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Comments
主張がわかり易く、私も概ね同意です。
ここ数年はSNSの発達、震災や東映の懐古的な動きが強まった事に加えて年齢もあり以前は付かず離れずだった層も借り出される形でした。
製作会社がそれを利用するのはよくある事ですが映像作品と違い、俳優自体は良くも悪くもその役を演じたに過ぎないという事を忘れてはいけませんね。
今から思えば、ゴーカイの時にきちんと批判しておけばよかったと思うことしきりです。
人が楽しんでいることをわざわざケチつけることはない、などと言っている間に取り返しのつかない事態が進行していたような。
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