なぜ庵野秀明は言い訳ばかりするのか

 このブログでは高寺成紀氏や白倉伸一郎氏を何度も何度も槍玉に挙げてきたが、それも彼らに対する最低限の信頼があるからこそである。何の信頼も抱いていない人を批判したりはしない。
 この人達は言い訳をしない。多分、していないと思う。
 それは恐らく、特撮ヒーロー番組のメインターゲットがなんやかんや言っても子供たちだ、というところから来ている。子供は面白いものには食いつく、つまらないものにはそっぽを向く。このつまらなさにはどのような深い意味が隠されているのだろう、などということをいちいち考えたりはしない。そんなものを考えるのはオタクだけだ。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』及びゴジラ新作映画に関する庵野秀明のコメント
 『ヱヴァ』は見てないし見る気もないし、「ヱヴァが完結しない理由(わけ)」というエントリで書いた以上のことにを書くつもりはなかったのたが、1996年の『新世紀エヴァンゲリオン』のブームを体験した人間として、あと一言だけ。
 あの時は、宮崎駿は引退を宣言していたし(後に撤回)、その後の日本のアニメ界をリードしていくのは間違いなく庵野秀明であろう、と誰もが口を揃えていた。『エヴァ』のブームは終わったが、これからも次から次へとヒット作を連発していくことをみんな期待していた。
 それが、まさかこんなことになるとはねぇ。
 人間なら誰でも自分の力量を越えた仕事を間違って引き受けてしまうことはある。だったらさっさと謝って、手を引けばいい。この人はいつもいつも言い訳ばかりだ。
 意味のないものを、いかにも意味がありそうに見せかける。二十年前にそうやって『エヴァ』を大ヒットさせた手腕は確かに見事だった。そして今庵野氏は自分を使ってそれをやっている。『ヱヴァ』がいつまでたっても完結しないのは、自分の才能が枯渇したからではない、もっと深い意味が存在しているのだ、と。そんな手法が二十年経った今もなお通用すると思っている。実際ある程度通用しているけど。アニメファン相手に。
 しかしアニメから逃げて特撮に来るとは、ずいぶんと度胸がいいことだな。特撮ファンはアニメファンほど甘くないぞ。

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