幻のアンヌ隊員? 誰よそれ

ウルトラセブン幻のアンヌ隊員と再会

 ひし美ゆり子氏というのは『ウルトラセブン』(1967年)で友里アンヌ隊員役を演った人だが、そのトークイベントが4月11日に神戸で行なわれ、そこに豊浦美子氏が出席したらしい。豊浦氏というのは当初アンヌ役に内定していた女優のことである。ひし美氏が代役であったということは、ファンにとっては有名な話ではあるのだが(隊員服のサイズが合わなかった云々)、しかしこのニュースを聞いて、ひし美ファンというのは本当に訳の分からない人たちだと思った。
 豊浦氏の話なんか聞いて、一体何が嬉しいのだろうか。『セブン』とは何の関係もない話ではないか。
 当日は豊浦氏は「“こっちに出てれば”って思うことはありますね」などと発言したらしい。私が仮にひし美氏のファンで、そのイベントに出席していたら、「ふざけんな! 帰れ!」と叫んでいたことであろう。心の中で。
 友里アンヌというキャラクターが大きな成功を収めたのは、ひし美ゆり子が演じたからである。豊浦氏なんかが演じていたら、きっと大失敗になっていたに違いない(と思うのがファン心理ではないのか)。豊浦氏の「こっちに出てれば」などという発言には、「私が出てたとしても同じように(あるいはそれ以上に)アンヌ隊員は人気が出たはずだわ」などという思い上がりが潜んでいる。
 あるいはこれは豊浦氏の負け惜しみの発言なのであろうか。『セブン』を蹴って別の映画に出演するなどという愚かな決断をした豊浦氏を嘲笑うためにファンが集ったイベントだったのだろうか。しかし、豊浦氏の詳しい活動履歴は詳しくは知らないが、仕事がなくなって引退に追い込まれた、というのではないように思える。多分結婚退職だろう。女優という職業に大した執着も未練もなく、あっさり引退を決めた可能性は大きい。
 そして今は何不自由のない生活を送っていて、そんな人が過去を振り返って「こっちに出てれば」なんて言ったとしたら、それはそれで不愉快な話だ。

 こんなことを書いているのも、私が偏屈だからなのだろうか。しかし、『ウルトラセブン』は五十年近く昔の作品である。そんな昔にヒロインに恋い焦がれ、その思いをいまだに抱き続けている人であれば、偏屈でないほうがおかしくはないか。まあ私は『ウルトラセブン』はあまり面白いとは思わないし、その中でも比較的面白いと思ったのが第11話と第13話だったりするんだが。

21日23日に補足

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