フェミニズムの敵はフェミニズム

 今年の正月に佐藤文香『軍事組織とジェンダー』という本を読み終わった後、どうにもやりきれない思いばかりが残った。
 別に大した本ではない。女性の軍隊参加について論じるのであれば、この程度の調査は当然踏まえておかなければならないという、ごくごく基礎的な研究本だ。
 だが、それでも500ページもあるのだ。
 誰が読むんだろう。やっぱり研究者同士が読むんだろうか。
 一般大衆は、その本の厚さを見ただけで敬遠するだろう。
 そして「男社会が悪い」と馬鹿の一つ覚えみたいに繰り返すだけの本が売れ、真面目にフェミニズムについて研究を深めたいと思った人は象牙の塔にこもるしかないではないか。
 学問的水準を落とさずに、大衆に向かって分かりやすく語ることのできる人材が、フェミニズムには絶望的に欠けている。
 どうにかならんのか。

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