戦隊シリーズにおける規律と自発性
山本直樹『レッド』3巻150頁
煮詰まって半年ほど戦隊について一字も書けない日々が続いていたのだが、そんな時に山本直樹氏のマンガ『レッド』を読んでいたら、長年頭の中にかかっていた靄がスーッと晴れるような気がした。戦隊シリーズが三十年以上ずっと孕み続けてきた問題点が何なのかがやっと分かったのだ。(ちなみにこのマンガのテーマは連合赤軍である。)
「俺はもう辞める!」戦隊シリーズでも時々こういうことを言う戦士が出る。そういう場合でも、まあいろいろあって使命感を取り戻してまた一緒に戦おうという話になる。じゃあ、どうしても気が変わらなかったらどうなるんだろう? (戦士の代わりはいないとする。)
ぶん殴るか、脅したりすかしたりするか、ともかく首に縄をつけてでも戦場に引っ張っていくことになるんだろう。いやそれはおかしい、戦いは自発的なものでなくてはならない。戦うのが嫌だと言っている人間に戦うことを強制しなくては宇宙人の侵略から地球の平和を守れないというのであれば、地球なんか侵略されてしまうしかないのだ。――こういう意見はそれはそれで問題だし。
そして、離脱を希望したメンバーを許さず、無理矢理連れ戻そうとし、あげく処刑した革命左派→連合赤軍は、後はひたすら同志殺しへの道を突き進むことになった。
チームの規律を維持することと、個々人の自主性を尊重することは、絶対に両立しない。戦隊ファンは誰もあんまり論じようとしないことだが。
電撃戦隊チェンジマンの伊吹長官は本当に殴ってた。あんなの今出したら大問題だろうな。
それはそうと。
特撮の脚本家では、上原正三先生について語ろうと思えば沖縄出身であることをぬかすことはできない。だったら曽田博久先生については全共闘について触れることが不可欠のはずだが、特撮雑誌でインタビューする際、誰ぞライターの方、このへんを突っ込んで聞いてくれないのだろうか。「1947年生まれで横国大」なんて、絶対に面白い話が聞けるはずだって。
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