「仮面ライダー2014年問題」という予言の自己成就
『仮面ライダー鎧武』の年平均視聴率が5.2%という酷さだったので、東映の白倉伸一郎氏の慧眼を称える声がネット界隈に満ちている。なんか、白倉氏が2014年ごろに仮面ライダーシリーズが危機に陥ることを、ずっと以前から予測していたらしい。
予測してたんなら対策しろよ。
しかもその予測の根拠、なんかものすごく変。
(1)仮面ライダーを子供の頃に見なかった人間が親になると、子供もまた仮面ライダーに興味を持ちにくい。その弊害が現れるのが2014年頃。
(2)しかしそこを乗り切れば、『クウガ』を子供の頃に見ていた人間が親になり、子どもと一緒に見るようになる。それまで5年の辛抱。
仮面ライダー第三期の最終作『BLACK RX』が終わったのが1989年。2014年といえば25年後になる。また『クウガ』は2000年の作品だから、2014+5年は19年後。
つまり、人間というものは19歳になったら子供を作り始め、25歳になった途端にピタリと作るのをやめる、ということを前提にしていることになる。
一体どこの国の話をしているのだ。
普通こういう議論では、一世代は30年として計算するのが普通である。父子の年齢差はだいたい25〜35と見ておけばよい。つまり、仮面ライダーシリーズ第三期を子供の頃に見ていた男の子が親になり、その子供がライダー適齢期に入る、そういう子供たちが2014年から増えていくのである。いったいどこが「危機」なのか。
おかしな点は他にもある。子供の頃にライダーを見ていなかった人間が親になると、その子供がライダーに興味を持ちにくくなるというが、戦隊やメタルヒーローをやっていただろう。ライダーの関係者というのは、とにかく戦隊やメタルを見下したがるが、オタク的気質のない一般人にとっては、みんな一緒である。
「予言の自己成就」という言葉がある。さして根拠もなく「こうなるぞ」と言っていると、人々は無意識的にそれに影響を受けた行動をとってしまい、結果として本当に予言が実現してしまう現象のことである。地位の高い人の発言は、そのような事態を起こしやすい。だから発言は慎重になる。
白倉伸一郎という人、取締役にまで出世して、いったい何をやってるの。
追記
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Comments
すいません。えのさんの計算もちょっとおかしくないですか?
「クウガを子供の頃に見ていた人」は、クウガ放送時に生まれたわけじゃないと思うのですが
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