スーパー戦隊の最後の良心
子供の興味が移るサイクルが速くなってきたので、昔は1番組1体だったロボが、今では3カ月ごとに新型が登場し3、4体に。その分おもちゃもたくさん出るが、今は一人っ子が多く、両親と祖父母の「6ポケット」がある時代だから。(ぼくらのヒーロー40年 敵待たせたって格好イイ 『朝日新聞』2015.1.1)またこの話か!
鈴木武幸専務がスーパー戦隊のことで取材を受けると、絶対にこの話をする。やっぱり自分でも後ろめたいことをやっているという気持ちがあるんだろうな。昔に比べて今の子供は飽きっぽくなっているということを必ず言うんだが、別にそんなデータがあるわけではない。変わったのは子供ではなく、子供をめぐる環境である。
お腹の空いている人に食べ物を売る。これが商売の本来あるべき姿である。だから、食べ物が行き渡り飢えた人がいなくなれば、そこで商売はストップする。ところが資本主義の自走性は、そこで立ち止まることを許さない。君たちは本当はお腹いっぱいではない、もっと食べたいと思っているはずだとコマーシャルを使って消費者の欲望を刺激する方向に向かう。需要に応じて商売をするのではなく、需要を積極的に作り出す。専門用語で言う「高度消費社会」は、日本では八十年代に始まったと言われている。
そしてその結果として現代人は、あれも欲しい、これも欲しいと常に欲望をかきたてられ、精神的に飢えた状況に追いやられる。日本人は物質的に豊かになった結果として、精神的にはかえって貧しくなったと言われるが、あれは別に老人の繰り言ではなくて、れっきとした経済学上の議論なのである。
スーパー戦隊に出てくるロボの数もまたしかり。
鈴木武幸氏といえば、スーパー戦隊シリーズのプロデューサーを十五年も連続して務めた人である。自分が手塩にかけて育てたシリーズが、子供たちを欲望漬けにするための道具のように言われていることは、この人の耳にも入っているのであろう。しかし既に管理職となった身としては、現場に口を出すわけにも行かない。
ただこうやって反論をするということは、やはり鈴木氏としてもまだ戦隊シリーズについて愛着を持っていることの証拠なのだろうか。それが唯一の救いか。仮面ライダーのプロデューサーには、そんな人いないからな。
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