少しもダイナミックでない宇宙刑事本

宇宙刑事ダイナミックガイドブック

 宇宙刑事ファンは昔からなぜか戦隊のことを目の敵にするようなところがあって、あまり好きではなかった。しかし『宇宙刑事ダイナミックガイドブック』などという、中身スカスカの本を「大満足」なんて言っているのを見ると、もはやこの人たちはリングに上がる気はないらしい。宇宙刑事シリーズは過小評価されているなんて言っていたけど、それを正当に評価されることを求める気はもうないんだな。そう思うとライバルを失ったような寂しい気になる。
 過小評価なんて全然されてはいない、妥当な評価だ、と私は思う。高寺成紀氏みたいに「子供だまし」とまでは言わないけど、それほど革新的な作風というわけでもなかった。だいたい、たった三年しか続かなかったシリーズだし。メタルヒーローシリーズという言い方もあるが、あれは後付けであって、シリーズとしての一体性など存在しない。
 最近になって急に宇宙刑事が復活したのも、別に宇宙刑事の面白さが今の時代に必要とされているという判断があったからではない。以下は別に私の憶測ではなく、白倉伸一郎氏などが公言していることであるが、仮面ライダーシリーズとスーパー戦隊シリーズの人気が下がる中、第三の柱を打ち立てたいという目論見があり、じゃあ何にしようかということで、宇宙刑事が選ばれたというだけの話。別になんでもよかったのである。しかし一旦決まった以上は盛り上げなくてはいけないというので、80年代特撮の金字塔だの、不朽の名作だのと今更になって急に持ち上げ始めただけであって、だいたいそんなに名作なら、なんで今まで塩漬けにしていたのか、説明してみたらどうなんだ。あまりにも見え透いた手口に、さすがに宇宙刑事ファンも乗せられた人は少数派のようで、平成仮面ライダーを休止させて日曜朝に宇宙刑事を復活させろと言っていた連中も、さすがに今ではほとんど見かけない。
 それにしてもこの編集者の杉作J太郎という人、インタビュー下手だな。うまい人なら、相手をリラックスさせたり、また怒らせたりしながら本音をぐいぐい引き出したりするもんだが、しょっぱなから相手を不快にさせるなんぞ悪手もいいところだ。そして森永さん相手にパンチラのことで質問してやったんだぜーとはしゃいでる。中学生かお前は。(この本の中身に対する批判はいずれ)

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