もういいでしょ、星光子さん……

 別に私は星光子ファンではない。しかし気になってずっと注目していた。『ウルトラマンA』の南夕子役を降板したことについて、自分から降りたと言ったり、降ろされたと言ったり、発言がコロコロ変わったことについても。
 そして2014年6月6日の『爆報! THE フライデー』に出演、そこでまた『A』について語るということがあったのだが、その数日前の星氏のブログにこのような記載がある。

 ゴールデンタイムのバラエティ番組なので、少し誇張した表現になっているかも知れませんが、番組サイドの制作上の狙いもありますのでご理解ください。
 これを読んだ時、もう心底ウンザリした気持ちになった。
 私はその番組は見ていないのだが、見た人によれば、星さんが涙ぐむ一幕もあり、違和感を覚えた人もいたらしい。要するに、カメラに向かって涙ぐんでくださいとディレクターに言われ、それに応じて演技をしたということか。女優であればお手のものというわけだ。
 星さんの発言の変転については、咎める人もいるようである。だがそもそも人間には記憶違いというものもあるし、過去の思い出にいまだ整理をつけられず、自分を繕ってしまうということもある。もしそれが事実と異なっていたとしても、それが彼女にとっての正直な心境であり、一種の真実であることに変わりはない。しかしそれが、テレビ的演出のために事実を曲げるとなると話は全然別である。もうこの人の発言には今後一切の信用を置くことはできない。たとえば毎日どんな心境で撮影所に通っていたかということをインタビューでしゃべったりしても、それは悲劇のヒロインを気取ろうとして、計算して行なった発言としか受け止められない。
 しかも、あれは演出ですよということまで自分のブログで明らかにするなんて、いったいこの人はなにがしたいのか。もう何がなんやら。
 よくよく考えると、『A』で南夕子の降板がなく、最後まで演り通していたらどうなっていたか? ウルトラヒロインのワンオブゼムにしかならなかっただろう。不本意な途中降板があったからこそ、かえって伝説になったようなものである。「夕子に会いたい」というファンの声に背を向けて、長らく姿を現すことがなかった星光子。その時期こそが、ファンにとって最も幸福な時期だったのだろうなと、今にして思う。

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