森永奈緒美の復活に泣く

宇宙刑事アニー
 「え、こんなかわいい人だったの!?」と、特撮ヒロインの写真集に載ってる森永奈緒美さんのスチル写真を見てびっくりしたことは、今でも覚えている。
 というのは、『宇宙刑事シャイダー』の本編でのアニーが、大してかわいくなかったからだ。いや、そう思って改めて本編を見返すと、確かに時々ものすごく魅力的な表情を見せていた。しかし彼女のそういう素質を伸ばそうとすることに、監督陣は全然熱心ではなかった。彼らは彼女の顔を撮ることよりも、彼女のパンツを撮ることに何倍もの熱意を示していた。……今さら言うまでもないことではあるが。
 かてて加えて、脚本家の上原正三氏。アニーを魅力的なキャラクターとして描こうという意欲を見せていたのは序盤の数話だけ。故郷の星を失った悲しみも、シャイダーとの関係も、早々に全然掘り下げられなくなった。その上、全話執筆なんて余計なことをやる。たとえ一本でも他の脚本家、たとえば鷺山京子氏とかが書いていれば、どんなアニーが見られたのだろうかと、今でも思うことがある。
 『シャイダー』という作品は、森永奈緒美という女優の可能性をつぶし、「ああ、パンチラの人ね」という形でしかファンの記憶に残らないようにした――という言い方が妥当かどうかについては異論もあろう。もともとつぶすほどの才能もなかったのだ、それを「パンチラの人」という形でファンの記憶に残るようにしてやったんだから有り難く思え、という反論が返ってくるかもしれない。どっちが正しいかなんて、今さら議論しても仕方がないという気もする。
 彼女自身、丈の短いスカートでのアクションを面白く思ってなかったということは、円谷浩氏(シャイダー役)も証言しているし、いくら東映が図々しい会社であっても、彼女にまた何かに出てくれなどと申し出ることもあるまい。森永さんにはこんな番組に出たことは忘れて、今は一般人として幸せな生活を送っていることを祈る……。

 などと思っていたら、このニュースである。
 なんでこんなもんに出んの!?
 記者会見で、「パンチラはないんですか?」などと質問した馬鹿がいたらしい。森永さんも、いきなり洗礼を浴びせられるとは思わなかっただろうが、ま、こういう世界だということは百も承知で戻ってきたんですよね。だったらもう何も言いませんわ。

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