「絆」という流行語

1999 救 3 爆破された兄弟愛(きずな)
2000 未 20 新たなる絆
2002 風 18 父と兄弟の絆
2005 魔 27 俺たちの絆 〜マジーネ・マジーネ〜
2005 魔 34 勇気の絆 〜ゴール・ゴル・ゴルド〜
2008 炎 35 炎神ノキズナ
2009 侍 47 絆
2010 天 41 爆発! 仲間の絆
2012 命 50 永遠のキズナ

 戦隊マップ、コメントがいただければ対応したいが、そうでなければ一旦終える。『ハリケンジャー』以降についてはそのうちやるつもり。
 最近の戦隊に関しては、「絆」という言葉が気になりだしたので、スーパー戦隊シリーズで「絆」「キズナ」が使われているサブタイトルを集めてみた。驚いたのは、1998年以前には使用例が一度もないということである。
 2011年(つまり震災の年)、「今年の漢字」に「絆」が選ばれた時、ファシズムを危惧する声を上げる人もいたようだ。「絆」は牛馬を縛る綱が語源、という議論はおいておくにしても、もともとこれは良い意味と悪い意味の二面性を持った漢字だったはずだ。それがなぜか、「人と人との支え合い」という一面だけに光を当てて持ち上げ、「自由を縛るもの」という面をあえて隠蔽する危険な風潮が出てきていると。確かに「絆」は昔からある言葉だが、以前はそれほど持てはやされてはなかった気がする(ちなみにファシズムの語源も「束ねる」である)。
 とすると戦隊シリーズもまたその風潮に便乗しているのだろうか?
 そんな単純な話でもないような気がする。「絆」という言葉を特に愛用するのが、小林靖子氏がメイン脚本家をつとめた作品である(『ゴーバスターズ』のエンディング曲も「キズナ」)。で、それらの作品における登場人物が、なぜか妙に個人主義的なのである。『タイムレンジャー』の私度の高さは典型的である。
 戦隊シリーズは、「絆」という言葉の二面性をきちんと追求していく方針を持つのだろうか、それとも特に考えもなく、安直に時流に棹さして流されていくのか、注視していきたい。などと偉そうなことを書いている私自身、まだ『シンケンジャー』も『ゴーバスターズ』も見てなかったりする。すみません。

戦隊史学基礎(実践編)

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