『ジェットマン』の価値を貶めるのはやめろ
東映YouTubeで『鳥人戦隊ジェットマン』(1991年)が今配信中なのだが、コメントとか見てると、つくづく誤解されている作品だなあと思う。戦隊シリーズの中でも比較的知名度があって人気の高い作品にしてこうだ。先入観に基づいたイメージばかりが行き渡っていて、正しい評価がなされていない。怒りすら感じる。
当時は戦隊シリーズは打ち切りの危機にあって、どうせ打ち切られるのなら好き放題やってやれと大胆な作風を持ち込んだら結果的にそれがヒットした、という説が結構広まっているけど、「スーパー戦隊シリーズの視聴率」でも書いたが、これ絶対に嘘だと思う。なんでこんなことを私が力説しているかというと、それが前作である『ファイブマン』(1990年)に対する侮辱であるというのみならず、『ジェットマン』に対する侮辱でもあるからだ。
『ジェットマン』を見た人なら誰でも同意することだとは思うが、結構戦隊の型にはまっている部分も大きいのである。それは悪いことではない。戦隊シリーズの方針は「不易流行」である。型を守る部分と、型を破る部分、この二つのバランスが重要なのであり、『ジェットマン』もまた例外ではない。もしも本当に好き放題にやった結果として『ジェットマン』程度にしかならなかったとしたら、井上敏樹氏が相当貧困な発想の持ち主だったということになる。いいのかそれで。
成功の可能性など考えず、ただひたすら好き放題やったら、それが既成の固定観念を打ち壊して大ヒットした、というほうが話としては面白いのであろう。だが、そんなんで成功作が生まれれば苦労はしないのである。「怪我の功名」なんて言葉もあるが、それも成功に対する緻密な計算があった上で、トラブルを成功に変えることに成功したケースを指すのであって、単に珍奇なことをして成功作が生まれるなんてことは絶対にない。
そういえば昔『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年)というアニメがあった。時間が足りなくて無茶苦茶な最終回を放映したらそれがかえって人々の好奇心をかきたて結果的に大ヒットした、なんて言われているが、あれも嘘。時間がなかったというのは事実だし、だから全部セリフで説明したわけだけど、そのセリフの一つ一つに作り手が必死の情熱を込め、その結果として視聴者の心をつかむことに成功したということは、ちゃんと見た人には分かったはず。『エヴァ』にとってあれ以上の最終回はありえなかった。それは、その後の劇場版、および新劇場版のグダグダを見てりゃ納得できるっしょ。
-
- 『ジェットマン』の価値を貶めるのはやめろ (12/27)
-
- 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ percetakan jakarta (04/20) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ percetakan jakarta timur (04/20) - スーツアクターという難題
⇒ Gujarat Tour Packages (12/19) - スーツアクターという難題
⇒ Car Rental in Ahmedabad (11/22) - スーツアクターという難題
⇒ Car Rental in Dehradun (10/11) - スーツアクターという難題
⇒ imran malik (09/14) - スーツアクターという難題
⇒ Travel Agents in Delhi (08/18) - マニュアルで創作は可能か
⇒ (06/22) - 高寺成紀の復活はもうないのか
⇒ cetak buku (02/09) - 高寺成紀の復活はもうないのか
⇒ cetak buku (02/09)
- 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
-
- March 2016 (12)
- February 2016 (12)
- January 2016 (13)
- December 2015 (13)
- November 2015 (11)
- October 2015 (14)
- September 2015 (13)
- August 2015 (12)
- July 2015 (13)
- June 2015 (14)
- May 2015 (13)
- April 2015 (13)
- March 2015 (13)
- February 2015 (12)
- January 2015 (13)
- December 2014 (14)
- November 2014 (12)
- October 2014 (14)
- September 2014 (14)
- April 2011 (3)
- March 2011 (3)
- February 2011 (9)
- July 2010 (1)
- June 2010 (2)
- May 2010 (2)
- April 2010 (7)
- March 2010 (8)
- February 2010 (11)
- January 2010 (11)
- October 2009 (1)
- June 2008 (3)
- May 2008 (2)
- April 2008 (4)
- March 2008 (4)
-
- パーマンをやることは義務なのか(その5=完結)
⇒ Steroidify.com (04/24) - 藤子・F・不二雄作品の主人公の顔
⇒ Mossberg Shotguns (04/23) - 藤子・F・不二雄作品の主人公の顔
⇒ heckler and koch (04/23) - なぜ『チンプイ』は完結しなかったのか(その1)
⇒ evolution forester 6 (04/23) - 水木しげる「怠け者になれ」の真意
⇒ grape cloud lost mary (04/23) - 反面教師としての『ドラえもん』(その2)
⇒ pacman disposable (04/23) - 桐野夏生の連合赤軍小説が始まった
⇒ jungle boy vapes (04/12) - パーマンをやることは義務なのか(その2)
⇒ blinkers carts (04/07) - パーマンをやることは義務なのか(その2)
⇒ faded fruit (03/31) - トキワ荘の真の敗残者は誰か
⇒ gold coast clear carts (03/31)
- パーマンをやることは義務なのか(その5=完結)
-