仮面ライダー俳優の勘違い

 仮面ライダーを演った俳優というのは、どうしてこうも変な人ばっかりなのだろうか。
 『仮面ライダーX』の神敬介を演じた速水亮氏のブログの2月2日のエントリ「情けない・・・」。

我々、仮面ライダーを演じた俳優は
正義という矜持を、少なからず日々の暮らしの中に
生き様の中に、持って生きている。

それが、正義の味方を演じた俳優の責任だ。
 連合赤軍かよっ!?
 まあ、まさか速水氏も本気でこんなこと考えているわけではないだろうが……。「正義という矜持を持って生きている」なんて、まともな分別を持った大人が言う台詞じゃない。怖すぎる。
 こうしている今も中東で、ウクライナで、ナイジェリアで、人々が殺し合いをしている。それに対して別に何かしてあげるわけでもなく、日本みたいな豊かで安全な国でぬくぬくと生きている人間に「正義という矜持」も何もないだろう。たかが過去に正義のヒーローを演じた俳優だという程度のことで、何を思い上がっているんだろうか、この人は。
 世界に広がる巨大な悪に対して、一人の人間など余りにもちっぽけな存在である。だから普通の人は気安く「正義」などという言葉を口にしない。いや、日本でも昔、世界の悪に対して本気で戦おうと勘違いした人たちがいて、そして彼らは「善意で舗装された地獄への道」を突っ走っていった。1970年代前半、つまり『仮面ライダーX』と同じ時代のことなんだがな。
 平山亨氏を筆頭に、仮面ライダーのプロデューサーはやたらと、ライダーは普通のヒーロー物とは違うんだとか言う。正義のために戦うのではなく自由のために戦うヒーローなのだとかなんとか。それはこのブログでも散々書いてきたことだけど、そのライダーを演じた俳優が、こんな幼稚な善悪観を自分のブログで披瀝したりしているのを見ると、一体何が「普通のヒーロー物とは違う」んだか。

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