『トッキュウジャー』2月1日の休みは妥当だったのか

 『烈車戦隊トッキュウジャー』の2/1の放映が休みになったことについて、疑問の声が若いファンの間から上がっているようだ。
 あの日の7:30の時点では、新たな情報が入ってくる可能性などゼロに等しかった。ひと通り現在の状況について触れれば、あとはもう伝えることなど何もなし。何か局独自の分析があるわけでもなく、実際、中身スカスカの特番だったらしい。
 その余波で次作の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』は、2/15に第一話放映の予定だったのが2/22に変更。玩具の販売戦略などにも大幅な変更を強いたはずだ。損害額は一体どのくらいになるのやら。
 正しい判断であったとはとても言えない。ただ、それでもやっぱりテレビ朝日を責めるのはちょっとどうかなあ、と思う。
 1985/12/28には『電撃戦隊チェンジマン』の第48話の放映が、中曽根内閣改造の報道特番で潰れた。別に意外な人物の入閣が取り沙汰されていたわけではない。派閥の順送り人事であることは国民誰も分かっていたし、一分一秒早く知ったところで、どうなるものでもない。なんでそんなもの放映する必要があったのか?
 報道番組の目的は、単なる情報の伝達ではない。要は、「我々は同じ日本人である」という事実を確認するための儀式であり、マスコミはその司祭なのである。俺たち日本人は今みんな同じ問題に関心を向けているんだ、という連帯感を味わってもらうための特番だったのである。そして今年の2/1の事件は、日本に対して宣戦布告がなされたも同然であって、当然日本人全員が興味を持つべきものであると判断し、テレビ局は使命感に基いて放映を決断したわけだ。

 テレビ朝日の失敗は、日本国民としての連帯意識も国政に関する関心も、今は1985年と比べてはるかに低くなってしまったことに、気がつかなかったことである。

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