『カーレンジャー』の最初のつまずき
ジェットマンは「仕方なく選ばれた戦士」か?に引き続き、戦隊の分類について。
『鳥人戦隊ジェットマン』は確かに当時の戦隊シリーズにおける常識の壁をすり抜けることに成功したが、壁を打ち壊したわけではなかった。戦隊を、どういう方針に基づいて戦うかに着目して「長期ビジョン系」と「臨機応変系」に分類した時、前者が正当で後者が異端である、という常識がある。『ジェットマン』でもプロが戦えないから仕方なくシロートが戦う、という設定にしており、シロートの方がプロよりも優れているという積極的な理由があったからシロートが戦ったわけではない。
そしてそれが『激走戦隊カーレンジャー』の最初のつまづきの石にもなった。
カーレンジャーの五人は伝説に選ばれた戦士である。ではその伝説とやらが、いつの時代から、どんな人々によって、そして彼らのどのような思いを込めて伝えられ続けてきたものなのか、作中で説明が一切ない。なんでこんな設定にしたのだろう。なんだかよく分からない理由でいつのまにか巻き込まれて戦士にされてしまったという設定にしたほうが良かったんじゃないのか。そのほうが『カーレンジャー』という作品の雰囲気にも合致していたように思う。
結局は、『カーレンジャー』のような、革新的な意欲に満ちた作品にして、戦隊シリーズの旧来の常識から逃れることができなかったということなのだろうか。
私は不思議コメディーシリーズは少ししか見たことがないが、あまりのシュールな世界に目の回る思いをした記憶がある。『カーレンジャー』では浦沢テイストがかなり薄めであることは否定しがたい。浦沢テイストと戦隊テイストで化学反応を起こすつもりが、お互いの持ち味を殺していたようでもある。成功していれば、今頃は『カーレンジャー』は戦隊シリーズの救世主であり新しいスタンダードになっていたに違いない。原因はやはりプロデューサーだろうか。最初に「こういう作品にする」と細部にわたって全部ガチガチに決めてからでないと何も始められない人だからなあ。まさに「長期ビジョン系」というわけか。『カーレンジャー』といえば「浦沢義雄の作品」という論じ方ばかりがなされているが、「高寺成紀の作品」という論じ方を少しくらいはしてもいいと思う。
-
- 『カーレンジャー』の最初のつまずき (06/26)
-
- 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ percetakan jakarta (04/20) - 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
⇒ percetakan jakarta timur (04/20) - スーツアクターという難題
⇒ Gujarat Tour Packages (12/19) - スーツアクターという難題
⇒ Car Rental in Ahmedabad (11/22) - スーツアクターという難題
⇒ Car Rental in Dehradun (10/11) - スーツアクターという難題
⇒ imran malik (09/14) - スーツアクターという難題
⇒ Travel Agents in Delhi (08/18) - マニュアルで創作は可能か
⇒ (06/22) - 高寺成紀の復活はもうないのか
⇒ cetak buku (02/09) - 高寺成紀の復活はもうないのか
⇒ cetak buku (02/09)
- 戦隊ヒロインとホットパンツ(前編)
-
- March 2016 (12)
- February 2016 (12)
- January 2016 (13)
- December 2015 (13)
- November 2015 (11)
- October 2015 (14)
- September 2015 (13)
- August 2015 (12)
- July 2015 (13)
- June 2015 (14)
- May 2015 (13)
- April 2015 (13)
- March 2015 (13)
- February 2015 (12)
- January 2015 (13)
- December 2014 (14)
- November 2014 (12)
- October 2014 (14)
- September 2014 (14)
- April 2011 (3)
- March 2011 (3)
- February 2011 (9)
- July 2010 (1)
- June 2010 (2)
- May 2010 (2)
- April 2010 (7)
- March 2010 (8)
- February 2010 (11)
- January 2010 (11)
- October 2009 (1)
- June 2008 (3)
- May 2008 (2)
- April 2008 (4)
- March 2008 (4)
-
- 桐野夏生の連合赤軍小説が始まった
⇒ jungle boy vapes (04/12) - パーマンをやることは義務なのか(その2)
⇒ blinkers carts (04/07) - パーマンをやることは義務なのか(その2)
⇒ faded fruit (03/31) - トキワ荘の真の敗残者は誰か
⇒ gold coast clear carts (03/31) - 急につまらなくなった山本直樹『レッド』
⇒ GEEK BAR DISPOSABLES (03/31) - トキワ荘の真の敗残者は誰か
⇒ 35 WHELEN AMMO (03/31) - ヤマトにはなぜ女が一人しか乗っていないのか
⇒ LOST MARY (03/31) - 反面教師としての『ドラえもん』(その2)
⇒ create creatine gummies (03/30) - パーマンをやることは義務なのか(その3)
⇒ clean cart (03/29) - 高寺成紀はなぜ戦隊を悪く言わないのか(前編)
⇒ University Of British Columbia (03/17)
- 桐野夏生の連合赤軍小説が始まった
-