岸祐二『ゴーカイジャー』出演の謎

東映ヒーローMAX38

 『海賊戦隊ゴーカイジャー』では戦隊OB・OGがドカドカ出てきたわけだが、本当はああいうことはやりたくなかったらしい、という噂があって、根拠をずっと調べていたのだが、どうやら『東映ヒーローMAX』vol.38(2011.9)に掲載された宇都宮孝明プロデューサーのインタビュー記事が元のようだ。ところがこの記事、どうも変なところが多い。

 どうしてこうなったのか、あまり思い出せないんですけどね(笑)。まぁ、最初にマジレッドの橋本(淳)くんが出てくれることになって、じゃあ近年の戦隊についてはゲストで出てもらいましょう、と。デカレンジャー、ゲキレンジャー、ガオレンジャーあたりがその流れですね。ところが、カーレンジャーの岸(祐二)くんも出てくれそうだ、ということで、そのへんから、解釈が広がっていったんです。
 「思い出せない」って、それはないだろう。
 テレビ番組では、作ってる最中に予定が変更になったりすることがある。トラブルが生じて代役を立てざるをえなくなったとか、また単にプロデューサーの気まぐれのこともある。それが大ヒットになるケースも過去にないわけではない。最も有名な例は、もちろん初代『仮面ライダー』における藤岡弘、氏の怪我だ。しかし、そんなのは十に一つもあればいいほうで、急激な予定変更は、ほぼ確実に制作者とって不本意な出来ばえに終わる。数少ない成功例が伝説化し人々の話題にのぼり、失敗例は目立たず忘れ去られる。ノストラダムスの予言的中率が99%とか言われる現象と同じだ。
 もし『ゴーカイジャー』も予定の変更があったのなら、それはかなり重々しい雰囲気のなかで決断が下されたはずであって、「思い出せない」わけがなかろう。レジェンド大量出演のしわ寄せを受けて、本当はやりたかったのにやれなくなったこともあったはずだ。この手のインタビューで「思い出せない」というのは明らかに「答えられない」を意味する。しかし本当にファンに対してオープンにできない裏事情があるのであれば、そんなもん編集の段階で質問自体消しておくべきだ。
 さらに訳が分からないのは、岸祐二氏。制作スタッフは岸氏に出てほしいわけでは全然ないにもかかわらず、オファー出したということなのか? それとも岸氏が「なんで俺を出さないんだ」とスタッフに凄んで詰め寄って、無理矢理出演を要求でもしたんだろうか。それはそれで考えられない話だが。
 意味不明なことが多すぎる。継続して調査する必要があるのだろうか。いずれにせよ、『ゴーカイジャー』はスタッフが心から楽しんで作っているのではないというのは最初から見え見えだったけどさ。

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