「ゴレンジャー同窓会」という詐欺事件(中編)
(承前)「5人そろって同窓会」へ実際に参加した人の報告ルポがネット上に上がり始めたが、それを読むと、この手のイベントの主催者や出演者の間には随分といびつな、もとい、一般のファンとはかけ離れた常識が蔓延している様子が浮きぼりになってくる。
最も驚いたのは、このツイート。イベントが始まってからもなお宮内洋氏は携帯電話で伊藤氏に連絡をつけようとしたらしい(つながらなかったが)。
伊藤氏が断ったのは、主催者に対する不信感もあったが、第一の理由は仕事が忙しかったからである。伊藤氏のフェイスブックによれば、9月11日(イベントの告知日)以降も主催者サイドは引き続き伊藤氏にメールや電話をしていたそうだが、どうしても五人そろえたかったのであれば、伊藤氏の都合のいい日をあらためて聞くべきだった。しかし10月24日という日付を変更する気は最初からなかった、ということは、仕事なんか放ったらかしてイベントの方に駆けつけろと呼びかけていたことになる。
今の仕事に力を尽くすことと、昔の思い出話に花を咲かせることと、この人達は一体どっちが大事だと思っているのだろうか?
一般的な常識からすれば、当然前者である。俳優をやめて今は別の仕事についている人に対して、ファンが望むことは何か。今の仕事で活躍をすることである。忙しく、充実した生活を送り、その結果としてこんなイベントに出る暇なんかなくなったとして、それこそがファンにとって最もうれしい事である。
しかし主催者や出演者らの考えは違うらしい。
宮内氏らの行為については、二通りの解釈が考えられる。
一つは偽装である。イベントの紹介文にはこういう一文がある。
※出演者は予告なく変更する場合があります。つまり、主催者サイドとしては五人揃うように努力はしましたと形だけでも整えることによって、もし金返せという声がファンから沸きおこったとしても、それを押さえつけやすくしようという、そのための工作だったということである。
もう一つは、……これはちょっと考えたくないことではあるのだが、現在の仕事よりも過去の思い出のほうが大事だと、本気で思っているということである。そしてこんなイベントの運営手法が定着しているということは、先日のイベントは特殊なケースではなかったということなのだろうか?(続く)
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