「ゴレンジャー同窓会」という詐欺事件(前編)
(9月21日のエントリのコメント欄からの続き)
10月24日に新宿ロフトプラスワンで行なわれたイベント「5人そろって同窓会」が詐欺であることについては何の弁解の余地もあるまい。
出演が告知されていたゴレンジャーの五人のうち、ミドレンジャー・明日香健二を演じた伊藤幸雄氏が当日姿を現さなかったのは、直前になって緊急の仕事が入ったわけでも急病になったわけでもない。イベントの告知が行なわれたのは9月11日であるが、もうその時点で伊藤氏の欠席は確定していた。にもかかわらず「多忙な5人のスケジュールが奇跡的に合いました」などという虚偽の宣伝文句とともにイベントの周知が行なわれ、チケットが売られ続けたのである。その一方で伊藤氏は自分のフェイスブックで、9月12日、21日、10月8日、24日と自分は出ないと宣言し続けるという、異様な状態が続いていた。
伊藤氏が出席を断ったのは、仕事の都合であるが、無理して休みをとるという選択肢もなかったわけではない(その場合は色々なところに迷惑をかけることになっただろう)。しかし、そんな無責任な主催者によるイベントとあっては、たとえその後事情が変わってヒマになったとしても、再考の余地などありえなかっただろう。
ツイッターでは、「五人そろわなかったのは残念だが、四人に会えただけでも良かった。ありがとう」という感謝の思いを綴っている人も多くいるようだ。しかしそれは、五人全員がそろうイベントにするべくスタッフ一同が力を尽くし、結果として揃わなかったと思い込んでいる人たちだ。真相を知ればどう思うだろうか。まさに Ignorance is bliss.
これは明らかに犯罪行為である。
チケット代が5550円で、会場の収容人員が約150人。場所代だの機材費だのを差し引いて、この手のイベントにどれほどの利益が出るのかは知らない。しかし問題は金額ではない。主催者である鈴木美潮氏(*注)は、特撮のイベントに十年以上も関わり続けている人である。シロウトではない。そして大勢の特撮のスタッフやキャストからも厚い信頼を寄せられている。そういう人が、ファンの気持ちをあざむくことに何の痛痒も感じない種類の人間であるということは、いったい何を意味するのか。特撮界全体にいったい何が蔓延しているのか?(続く)
* 主催者は鈴木氏ではないという説もあって、「後編」で詳述した。10月31日追記。
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